『見えない力=魅力』 〜しらさぎ荘が大切にしていること〜

 

「この宿には、なんだか心地よさがある」

「なんだか分からないけど、また来たくなる」

そんなふうに言われることがある。

 

しらさぎ荘は、豪華な装飾があるわけでも、最新の設備が揃っているわけでもない。

けれど、お客様がふとした瞬間に感じる「心地よさ」が、この宿にはある。

それは、目に見えないけれど、確かに存在する“魅力”なのかもしれない。

 

形のないものこそが大切なんだ。

 

宿の雰囲気を決めるのは、調度品や装飾だけではなく、そこに流れる空気や人の気配。

スタッフの何気ない気遣い、静かに漂う茶香炉の香り、差し込む柔らかな光。

こうした小さな積み重ねが、見えないけれど確かな「心地よさ」を生んでいく。

しらさぎ荘では、何か特別なことをするよりも「当たり前のことを丁寧に積み重ねる」ことを大切にしている。

お食事の内容をさりげなく整えたり、くつろいで過ごせるようお席の配置を工夫したり、

また季節や天候に合わせて、湯の温度、館内の室温や照明をほんの少し整えたり…

特別に意識しなくても、「ああ、気が利くな」と思っていただけるような、さりげない心遣いを心がけている。

目に見えないけれど、人を惹きつけるもの。

 

宿に限らず、人にも「見えない力=魅力」がある。

それは、生まれ持ったものではなく、日々の積み重ねや生き方の中で自然とにじみ出るもの。

たとえば、誰かがそっと心を寄せてくれるような優しさだったり、一緒にいると安心できる落ち着きだったり。

そうした目に見えない魅力が、その人を輝かせ、まわりの人を惹きつけるのだと思う。

しらさぎ荘も、そんなふうに「なんだかまた来たくなる」宿でありたい。

 

見えないけれど、確かに感じる心地よさを、これからも大切にしていこうと思う。