この宿に結ばれた、ご縁の話 ー座敷童について、もうひとつの物語ー|人吉温泉しらさぎ荘 女将の徒然日記

先日配信された『原田龍二のニンゲンTV』の中で、
この宿に伝わる「座敷童」のお話が、ひとつの物語として語られました。
それは、
降魔師として知られる阿部一族のご先祖様と、
宿として名を持つ以前から、この地で営みを続けてきた、しらさぎ荘の先祖・髙山家との間に結ばれた、遠い昔のご縁から始まるお話でした。
困難な時代のなかで、
人に救いの手を差し伸べ、また守る役目を担ってきた家と、
人を迎え入れ、休ませる場所を守ってきた家。
立場は違えど、
「人を想う」という同じ志が、
静かに手を取り合った——
私は、そのような物語として受け止めています。
配信では、
阿部吉宏様のご先祖・青山吉光様が大切に育てられてきた座敷童を、
この宿に託すという選択があったことも語られていました。その名は「菊千代」。
その話を聞いたとき、
私は驚きよりも先に、
胸の奥がすっと静かになるのを感じました。
「やはり、この宿は“ご縁を預かる場所”なのだな」
そんな思いが、自然と浮かんできたのです。
これまで私は、
座敷童について「いる」「いない」を断定することはしてきませんでした。
それは今も変わりません。
けれど、
人の想いが人を救い、
その想いが時代を越えて受け継がれ、
やがて場所に託されていくことは、確かにある。
そうした“目に見えないご縁”が、
この宿の空気や、
夜の静けさや、
訪れてくださる方の心のやわらぎとして、
そっと表れているのだとしたら——
それは、とても自然で、尊いことのように思えます。
宿という場所は、
ただ泊まるための建物ではなく、
人の記憶や願い、
そして誰かを想った気持ちを、
一時的に預かる場所なのかもしれません。
この宿に流れる湧水の音も、
夜に灯りを落とした館内の気配も、
そうした長い時間の積み重ねが生んだものなのでしょう。
もしこの場所で、
誰かがふと、あたたかな気配を感じたとしたら。
それはきっと、
阿部家と髙山家、
そしてこの地を生きてきた多くの人々の想いが、
今も静かにここに息づいているから。
私は女将として、
この宿を「語り継がれるご縁の受け皿」として、
これからも丁寧に守っていきたいと思っています。
今日もまた、
湧水の音が変わらず静かに響いています。
その音に耳を澄ませながら、
受け取ったご縁に、そっと手を合わせています。
今回の撮影を通して、
この宿に新たなご縁を紡いでくださった
原田龍二様、そしてニンゲンTVスタッフの皆さまにも、
この場を借りて改めて心より御礼申し上げます。

撮影を終えて。 いつもの場所で、いつものように並びました。
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